月別アーカイブ: 2014年10月

日比谷公園ガーデニングショー2014

IMG_2253

久しぶりに都内にお出かけ。

第12回日比谷公園ガーデニングショーを見てきました。

屋上菜園を日々管理している身としては、庭園の見せ方といった視点で大変参考になる展示会でした。

 

会場は下記のいくつかの部門に分けられて展示がされていました。

*ハンギングバスケット部門

*コンテナガーデン部門

*ライフスタイルガーデン部門

*ガーデン部門

などです。

 

IMG_2238

ハンギングバスケット部門は50cm各の壁面に草花を生けてその優雅さを競うといった主旨のもので、多くの種類の草花を生けた構成が一目を引いていました。

 

IMG_2242

これはコンテナガーデン部門の優秀作です。人工的に構成された優雅さを感じます。

 

IMG_2243

こちらもコンテナガーデン部門、空中庭園のごとき、植物を立体的に展示しています。視覚的にも、物理的にも緑を増やすヒントがここにあると感じました。

 

IMG_2245

こちらはライフスタイルガーデン部門の大作です。緑豊かで密度の濃い空間をつくり出しています。空中に浮かんだ壁面に多くの種類の緑があるのが目に留まります。

 

IMG_2256

日比谷公園を後にし、東京駅に向かう途中で見つけたビルの足元にある緑に覆われた柱。最近、駅等で緑に覆われた壁面などをよく目にする。それらの緑がいつも青々としているのには関心してしまいます。

 

IMG_2257

こちらも丸の内にある石畳の道。そこにコンテナガーデンが置かれただけで、緑あふれる空間になるという実例。参考になります。

2020年につなぐ、都市での木づかいシンポジウム

東京オリンピック開会式から50年後のこの日、「2020年につなぐ、都市での木づかいシンポジウム」が東京都内で行われましたので、聴きに行ってきました。

~建築家と語る、都市建築物での木材利用の未来~と副題が付いているように、隈研吾さん、山梨知彦さんなど日本を代表する建築家の話が聞けて大変有意義なシンポジウムでした。


基調報告(1)「都市での木づかいと林業成長産業化」

先ずは林野庁木材産業課長,小島孝文さんからの「都市での木づかいと林業成長産業化」と題しての基調報告から始まりました。

日本は国土の7割を森林が占めており、戦後造成された約1,000万haの人工林が本格的な利用期を迎えているとのこと。実は戦後の昭和20年代ははげ山が多かったため国をあげての植林が行われました。そして、荒廃した国土から、豊かな森林を持つに至りました。今では毎秒小型トラック1台分の森林資源が増加しています。

一方、木材利用の現状と見通しについてはどうでしょうか。

日本の人口は2005年以降、減少傾向にあり、製材用材の需要先である新設住宅着工戸数についても、大幅な回復は見込めない状況です。また、2050年までに地方圏で人口減少が進む一方、人口が増加する居住地域は東京圏及び名古屋圏に集中し、地方では人が住んでいない無居住地区(ノーマンズ・ランド)が発生するおそれもあるという予測が出ています。したがって、木材利用は木質バイオマスとして利用することや住宅以外の木質建築物への利用可能性が考えられています。

住宅以外の木質建築物への利用として注目されているのがCLT建築です。このCLT建築によって木造3階建て学校等や中高層建築物が建築できるよう建築基準の改正が検討されています。また、国産材CLTの生産体制構築の取組みも推進しています。平成22年には「公共建築物等における木材の利用促進に関する法律」が施行されています。これらの施策により森林資源が循環して使えるような環境が整ってきています。

2020年の東京オリンピックが決まり、木材を利用した大会施設での「おもてなし」で、東北の復興や日本の木の伝統・文化を世界に発信し、建築物における木材利用の拡大をしてゆくという話でした。


基調報告(2)「本物の木材の復権に向かう、都市建築物の未来」

次に建築家で日建設計設計部門代表の山梨知彦さんからの「本物の木材の復権に向かう、都市建築物の未来」と題しての基調報告。

日本人が木の空間に親しみを感じ、良いと思うのは、木への感性が日本人のDNAに刻まれている訳では’ない’という持論を披露していただきました。

日本人が木への感性を持っているのは子供の頃から木の家に住み、木に親しんだ生活をしてきたからであって、人工的な建材に囲まれて育った子供には木への親しみが少なくなってきているのではないかという意見です。そうした子供たちが育ったら木の良さが伝わらないのではと危惧し、木の良さを感じる自分たちの世代が木材を使い、木材の復権をしてゆかねばならないとのことです。

新木場にある木材会館を設計したとき、木材の復権を考え、木材利用の特徴を次の4つの点から考えてみました。

*適材適所:
木材会館の主要構造は鉄筋コンクリート造ですが、最上階のホールは木造でつくりました。最上階はその階の屋根しか支えていないので、木造でつくる合理性があります。また、目や手に触れる部分に木材を使い、適材適所で使っています。

*エイジング:
木材は時間の経過とともに変色してゆき、割れなども生じることがあります。エイジングを良しとする感性も大事ですが、古くなった場合、木材は簡単に交換できるのが利点です。木材は軽いので、大工さんが手で運ぶことが可能です。

*安全性:
戦後、木造の建築が避けられてきたのは、燃えることが原因のひとつでした。火災時に怖いのは煙です。木材会館を設計してみて、安全に煙を逃がし、避難できるように工夫することによって、現在の建築基準でも木材をこれだけ使用できることがわかりました。

*生産性:
木材の値段には幅があります。流通材を使うことによってコストダウンを計っています。

現在は、新国立競技場の基本設計を進めているとのこと。ザッハ・ハディドがコンペで選ばれた案を日建設計がローカルアーキテクトとしてコンペ案の実現に向けてデザインをしています。

山梨さんの提案は、約7万席の座席を木でつくり、世界に発信したらどうかということです。国産材、特に東北地方の木を使うことで震災からの復興にも寄与します。木の座席は皆さんからの寄進により設置たらどうか。寄進した人の名前が座席の裏に刻まれます。本日はこのことを皆さんに提案、お願いに来ましたと話を締めくくられました。


基調報告(3)「都市木造が、2020年の東京を未来につなげる」

そして3つめの基調報告は、建築家でNPO法人teamTimberize理事の山田敏博さんからの基調報告です。

戦後つくられた建築基準法は耐震不燃の都市づくりを目指したもので、木造の大規模建築物は考えられていませんでした。その後、技術の進歩があり、2000年の建築基準法改正で木造大規模建築物への可能性が開かれました。今、「木造で建てられる」から「木造で建てたい」へ意識を変革してゆきたいとのことです。

teamTimberize主催で2014年9月5日(金)~15日(月・祝)、青山にあるスパイラルガーデンで「Timberize TOKYO 2020」展を開催していました。

11日間で83,000人の来場者があったそうです。内容は、東京オリンピック2020の関連施設をティンバライスしたらどうなるだろう?ということで、競技場、選手村などの施設の模型、パネルが展示されていました。それらをひとつずつスライドを見ながら説明されました。ほとんどのオリンピック施設は仮設となるので、計画にオリンピック後のプログラムも考えているとのことです。

最後に2013年に竣工した都内初の木造5階建て集合住宅「下馬の集合住宅」を紹介しました。都市での木造建築事例が増えつつあります。


基調講演「地域で拡がる、世界で拡がる、都市での木づかい」

そして、基調講演は隈研吾さん。

隈さんは今や世界各地で仕事をされています。自身で手がけられた多くの木造建築の事例をご紹介いただきました。

*馬頭広重美術館:
奥州街道に面した敷地にあり、通常は駐車場からそのまま建物に入るのが一般的な計画ですが、ここではあえて建物を通り抜け、建物裏の裏山にある神社を眺めてから建物に入るという動線計画とし、山を意識させるようにしました。

*長岡市役所アオーレ:
屋根の掛かった大きな市民広場を設けることによって、市民が集まる憩いの場が生まれました。老人などは病院に行くより、ここで過ごす方が楽しいと集まって来ています。議員さんからは議会の権威が無くなるなどの反対意見もあったようですが、議場がこの1階広場に面してつくられています。

*浅草文化観光センター:
コンペ当選案です。木造平屋を建てに積み重ねたような形状をしています。各階の屋根と床の隙間空間は設備のために使われています。上階にいても地面の上にいるような感覚がするそうです。

*プロソリサーチセンター:
500mmグリッドで積層されたヒノキの千鳥格子の建物。小さな部材を組み合わせ木製立体格子の空間を作り上げています。その格子の中には義歯が展示されています。

*スターバックス太宰府天満宮:
スターバックスは全世界で年間3,000店舗も設計しているんですね。そのうちいくつかは新しい試みを取り入れて、ここも特殊解のひとつとなりました。小径材を組合わせ内装をデザインしました。

*サニーヒルズ:
南青山にある台湾発パイナップルケーキ屋です。小径材を地獄組みによって組合わせ構成した建物、一風変わった外観が一目につきます。台湾の地場産業を応援したいというオーナーと意気投合して実現しました。スターバックスが横使いだったのに対し、こちらは縦使いで構成しています。

などなど、木造建築が進化を遂げています。

海外でも木造の仕事をされている隈さんは日本と海外との違いを指摘されていました。同じ図面を使っても日本と海外では出来上がってくるものは違うと。木は自然の材料であり、木目や色などが異なるため、同じ寸法でつくっても木材の使い方によって見え方が異なる。日本人の職人さんの方が木の扱い方がうまいということでした。日本の強みです。


パネルディスカッション「建築家と語る、2020年に向けた都市建築物での木材利用」

最後に司会の富永美樹さんと上記4方でのパネルディスカッションが行われました。

先ずは各人、木との関わりあたりから話を始め、木造建築の特性などに話が移ってゆきました。

20世紀に主流であった近代建築と木造建築の対比で議論が進められました。

*近代建築はきっちりつくられるのに対して、木材は割れる、エイジング、キズなどがあり、きっちりつくるのが難しい。

*また、建築は全て計画するのに対して、木造には場当たりの重要性がある。初めに全てを決めるので建築家は不自由だった。木造は状況に応じて変えることも可能である。

*20世紀のマスプロダクツ、大量生産の美学があったのに対し、21世紀はITが進歩しカスタマイズが普通になってきている、すなわちマスカスタマイゼーション。これにより建築が人間に近づく。

*20世紀に忘れてしまったもの。軽さ、加工のしやすさ。カスタマイズできること。

*木は誰にでも扱えるので、民主的な建築材料である。

IT技術の進歩によりノートパソコンがあれば街中のカフェでも仕事ができるようになりました。今後、都市の中に快適な木造空間が多くつくられてゆくことによって、路上生活の重要性が増してゆくものと思われます。

最後に、そのような2020年の都市の姿を想像し、「小さいことから始めよ!」と隈研吾さんからのメッセージをいただきました。

PS.
実は、富永美樹さんの弟が隈研吾さんの事務所に勤めていることから富永美樹さんの河口湖の別荘を隈研吾さんが設計した。という話も聴きました。いろいろ繋がっているんですね。

 

ニラの種から循環を考える

IMG_2142

2014年10月7日、屋上菜園にて、

ニラの種が弾けそうになっていたので、収穫し室内で種取り作業をすることにしました。すでに黒い種が見えているものと、まだ緑のサヤに覆われているものがありましたので、しばらくはこのまま置いておいて自然に種取りができるまで様子を見ようと思っています。室内にはほのかにニラ臭が漂っています。

このニラは青梅の自然菜園から株分けして頂いてきたものを屋上菜園に植えました。見事に元気に育ち、種をつけるまでに至りました。

ネットでいろいろ調べてみると、ニラは株分けによって増やす方法と種によって増やす方法があり、種から育てる場合は収穫までに1~2年かかるようです。

いづれにしても、ニラは多年草ですので、いちど植えてしまえば何年も収穫が楽しめます。しかもそんなに日光もいらない所でも育てやすいみたいです。独特の臭いもあり、虫も付きにくいみたいです。ぜひぜひ屋上菜園で増やしてゆきたい作物です。

屋上菜園での野菜づくりのテーマは種を取り、持続可能な循環型の環境をつくることです。しかしながら、まだそこまでのスキルが身に付いておらず、試行錯誤の状態なのですが、、、。

基本的に、ここで育てる野菜の種は全て固定種の種を選んで種蒔きしています。

通常、F1種と呼ばれる種は、生育が良かったり、病気に強かったりといった特性を持っています。しかしながら、そこから穫れる種から育てた作物はそれらの特性を持ち合わせていません。一代限りの特性をもった種なのでF1種と呼ばれます、従って毎年新しく種を買わなければなりません。さらに、その種を育てるために農薬や化学肥料も一緒に購入することにもなります。F1種の種をつくるために、あまり自然ではない特殊な方法を用いて種をつくっているという話を聞いたことがありますので、どうもF1の種は買う気になれません。

屋上菜園では収穫量などの効率性だけを追い求めるのではなく、地域の自然環境に適応した方法で種を穫り、持続可能な営みを基本としながら、その範囲の中での効率性、合理性を追求してゆきたいと思っています。望むべくは、種を全て自家採取し、将来にわたり野菜づくりを続けてゆくことです。儲けのみを追求しなければ、可能な目標なのでは、と思います。

そのためには、季節ごとの作業の手順、菜園管理のノウハウ、コンパニオンプランツ(相性の良い植物)の植え方、など様々なノウハウが必要となってきます。屋上菜園での実践を通して、それらのノウハウを少しずつ発信し、蓄積してゆきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。